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木造一戸建ての解体に補助金はあるの?申請時の注意点と相続空き家に認められる条件とは

家の解体費用は、木造なら坪4~5万円が相場です。

一戸建ては33坪前後のものが多いため、解体費用は約150万円。解体だけでかなりの出費ですよね。

もし補助金があれば取り壊しやすくなるため、自治体の制度はぜひ活用したいところです。

この記事では「解体の補助金・助成金」について、解体補助金の特徴や解体補助金の具体例、補助金申請の注意点、解体して売却すると税金が安くなる制度などを紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 家の解体に補助金が出るって本当?
  • 解体の補助金申請で気をつけることは?
  • 相続空き家の3,000万円特別控除に該当するのはどんな条件?
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.解体の補助金の特徴

日本全国的に老朽化した空き家が急激に増えていることが問題になっていますが、古い木造建築の解体は様々な補助金があることを知っていますか?

まず最初に解体の補助金の特徴について解説します。

解体の補助金は自治体のものが主体となっている

家の解体の補助金は、国の補助金や助成金は存在せず自治体のものが主体となっているという点が特徴です。

しかし自治体は国よりも財務基盤が脆弱であるため、補助金は「存在しない自治体」も多く、補助金は単年度で予算が組まれて行われるため、補助金がある年とない年があります。

例えば新型コロナウイルスの対応で、突発的に新たな予算が必要となった場合には、解体の補助金がなくなったりすることも多いです。

解体の補助金を継続的に実施している自治体はむしろ希であり、たまたま解体するタイミングで偶然にも補助金が実施されていれば利用できるという傾向があります。

募集期間がある

解体の補助金は募集期間があるという点も特徴で、募集期間(補助金の申請書類を受け付ける期間)は1~3ヶ月と非常に短くなっています

募集期間は短いために募集要項が公開されてからは書類が間に合わない場合もあるので、事前にある程度の書類を準備しながら、公募されたらスピーディーに申請をすることがコツです。

昨年に解体補助金があった自治体であれば、今年も募集される可能性が高いため、去年の募集要項を十分に確認しながら準備を進めておきましょう。

また、補助金の募集期間によっては自分の壊したいタイミングで壊せないという可能性もあるので、緊急性を要する解体であれば補助金を使わないという考え方も適切といえます。

要件が自治体の解消したい課題と関連している

解体補助金は、要件が自治体の解消したい課題と関連している点が特徴です。

単に取り壊したい建物に全て補助金が適用できるわけではなく、建物が自治体の解消したい課題に合致していないと補助金をもらうことができません。

例えば、足立区には不燃化特区内における支援制度が存在します。

足立区は区内の一部に昔からの木造住宅が密集している地域(いわゆる「木密地域」)があり、火災時に延焼が広範囲に広がりやすく、災害時の弱さが地域の課題となっています。

そこで、足立区では指定された木密地域内における一定の要件を満たした建物に対し、解体の補助金を出しています。

このように補助金はあくまでも自治体の課題の解消を促進するためのものであるため、自治体が解決したい課題以外の住宅に関しては、補助金は出ないのが一般的です。

したがって、仮に自分の自治体に補助金の制度があったとしても、要件に合致するとは限らないといえます。

2.解体補助金の具体例

各自治体の補助金の具体例は下表の通りです。(2021年3月時点)

自治体 補助金名称 補助内容
北海道札幌市 令和2年度札幌市危険空家等除却補助制度 1/3(上限50万円)
青森県弘前市 弘前市空き家・空き地利活用事業費補助金 1/2(上限50万円)
宮城県気仙沼市 がけ地近接等危険住宅移転事業 除却上限:80.2万円
群馬県前橋市 前橋市老朽空家等対策事業 1/3(上限10万円)
埼玉県さいたま市 さいたま市建替え工事助成制度 23%相当(上限60万円)
東京都世田谷区 世田谷区不燃化特区支援策 2.7万円/1㎡
新潟県長岡市 長岡市がけ地近接等危険住宅移転事業 上限97.5万円
石川県金沢市 危険空き家の解体(除却)に関する補助制度 1/2(上限50万円)
福井県大野市 大野市空き家診断 上限3.5万円
長野県長野市 長野市老朽危険空き家解体事業補助 1/2(上限50万円)
愛知県名古屋市 老朽木造住宅除却助成 1/3(上限40万円)
京都府京都市 京都市老朽木造建築物除却事業 2/3(上限60万円)
大阪府豊中市 豊中市木造住宅等除却費補助金 5/6~5/12(限度あり)
兵庫県神戸市 神戸市老朽空家等解体補助事業 1/3(上限50万円)
広島県広島市 広島市がけ地近接等危険住宅移転事業補助 1戸あたり97.5万円
徳島県徳島市 徳島市危険廃屋解体支援事業について 1/2(上限30万円)
愛媛県松山市 令和2年度老朽危険空家除却事業 4/5(上限80万円)
福岡県北九州市 老朽空き家等除却促進事業 1/3(上限50万)
長崎県長崎市 老朽危険空き家除却費補助金 上限50万円
熊本県熊本市 戸建木造住宅耐震改修事業 4/5(上限100万円)
鹿児島県鹿児島市 鹿児島市危険空き家解体工事補助事業 1/3(上限30万円)

解体補助金の対象となるものは、多くの場合、「特定空き家」と呼ばれる危険な空き家です。

朽廃が著しく、周囲に悪影響を及ぼしているような空き家や、がけ地に建っている空き家の取り壊しを促進している自治体も多いです。

さらに、建物の解体補助金がない自治体では、生け垣や塀等の解体の補助金がある自治体もあります。

解体補助金がない場合は、生け垣等の補助金がないかどうかも調べてみてください。

3.補助金申請の注意点

この章では補助金申請の注意点について解説します。

注意点1.常に自治体のホームページをチェックする

解体補助金を利用するには、常に自治体のホームページをチェックしたり問い合わせることが注意点です。

  • 補助金は、単に「○○市 解体補助金」と検索しただけでは出てこない可能性があるので、他にも「○○市 空き家 補助金」、「○○町 門扉 解体」等のキーワードでもチェック
  • 解体の補助金情報をまとめたポータルサイトがあるものの、最新情報かどうかは分からない
  • 募集が始まっていないと情報が公開されていないことがあるので、自分が解体したい物件の該当する市区町村には、定期的に電話で問い合わせることが大切

まとめサイトやホームページの検索のみに頼らずに、必ず自分で対象物件のある自治体へ直接問い合わせるようにしましょう。

注意点2.申請は自分で行う

申請は自分で行うこともポイントです。

補助金の申請は、行政書士等の専門家に依頼してしまうと、成功報酬として得られる補助金の10%程度を要求されることがあります。

自治体によっては、補助金の上限額が30万円までといった自治体もあるため、その中で10%も取られてしまうのは、かなりの痛手です。

解体の補助金は要件に合致さえすれば通るものがほとんどですので、少し手間はかかりますが、できる限り自分でチャレンジすることをおススメします。

注意点3.補助金は後から入ることを知っておく

多くの補助金で共通することですが、補助金はお金が後から入ってくるという点は知っておく必要があります。

例えば、上限50万円の補助金で取り壊し費用が150万円であった場合、一旦、150万円を解体工事会社に支払って、後から50万円を自治体から受領するということです。

つまり全額先に用意しておく必要があります

最初から補助金頼みでは解体できないため、お金が工面できない人は一時的に親戚等から補助金相当額を借りるといった対応が必要となります。

注意点4.申請が通らないことも覚悟しておく

補助金を利用する際は、申請が通らないことも覚悟しておくことがポイントです。

解体の補助金は、合否を判定するものではないので、要件さえ合致していればほとんど通ります。

しかしながら、募集要項を十分に読んでおらず、要件に合致していないのに申請した場合は、申請は通りません。

補助金の申請ミスを防ぐには、分からないことがあったら、その都度、役所にしっかり確認しながら申請書を書くことがポイントです。

4.解体して売却すると税金が安くなる制度

補助金ではありませんが、相続した空き家で一定の要件を満たすものは、解体して売却すると税金が安くなる制度があります。

この制度は、通称「相続空き家の3,000万円特別控除」と呼ばれる制度です。

不動産を売却すると、譲渡所得が発生するケースでは税金が生じます。譲渡所得は以下の計算式で求められる利益のようなものです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

それぞれの語句の意味は以下になります。

  • 譲渡価額は売却価格
  • 取得費とは土地については購入額・建物については購入額から減価償却費を控除した価額
  • 減価償却とは、建物の価値を減少させていく会計上の手続き
  • 譲渡費用は、仲介手数料や印紙税などの売却に直接要した費用

ここで、相続空き家の3,000万円特別控除が適用できるケースでは、譲渡所得の計算式は以下のようになります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

上記の計算の結果、譲渡所得がゼロ(マイナスの場合もゼロ)となれば税金は発生しないことになります。

相続空き家の3,000万円特別控除の節税効果は大きく、特例を適用すると税金が生じないことが多いです。

相続空き家の3,000万円特別控除を適用するには細かい要件を満たす必要がありますが、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 相続の開始があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • マンション以外の建物であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家であること
  • 家屋を取り壊さずに売る場合、売却時において、その家屋が現行の耐震基準を満たしていること
  • 相続したときから売却のときまで、事業の用または貸付の用および居住の用に供されたことがないこと

上記の要件の中に、「家屋を取り壊さずに売る場合、売却時において、その家屋が現行の耐震基準を満たしていること」という要件があります。

これは、「取壊してから売れば、耐震基準は満たしていなくても良い」という意味でもあります。

相続空き家の3,000万円特別控除の適用を受けるには、「耐震リフォームしてから売る方法」と「取り壊してから売る方法」の2通りがあります。

一般的に、耐震リフォームは500万円程度、取り壊し費用は150万円程度ですので、

取り壊して売却することを選択した方がコストを低く抑えることが可能です。

相続空き家の3,000万円特別控除を利用できれば、結果的に売却時の税金が安くなりますので補助金と合わせて節税特例の利用も検討することをおススメします。

尚、相続空き家の3,000万円特別控除は非常に細かい要件が設定されているので、以下の国税庁のホームページで要件を確認するようにしてください。

【国税庁HP】

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

家を取り壊すのとそのまま残すのと、どちらがお得?

せっかくお金をかけて解体したのに実は「解体しないで売却した方がコストがかからなかった」なんてことにならないよう、「空き家を解体してから売却」「空き家はそのままで売却」のそれぞれのコストを必ず調べましょう。

解体を具体的に進めていく前にしっかりと、売却査定をしてもらうことが大切です。

あくまで査定額は不動産会社がいくらで売れそうなのか判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

その為、不動産査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

査定額が高すぎる不動産会社は危険

査定額が高すぎる不動産会社は危険

ただ、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのは大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。

一括査定サイトのオススメ3選

  1. 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「

    すまいValue

  2. NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「

    HOME4U

  3. 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「

    イエウール

  4. ※番外:一括査定と合わせて使うことで効果を発揮する「

    SRE不動産(※旧ソニー不動産)

実績や信頼性はもちろんですが、上記3サイトは、机上査定での査定依頼が出来る点も大きなポイントになります。

机上査定とは、依頼時に入力した物件の基本情報を基に算出する査定方法で、不動産会社の担当者に物件を見てもらう必要もなく、家に居ながら気軽に査定額を知ることが可能です。

依頼時にメールで査定額を提示して欲しい旨を備考欄で伝えておけば、査定結果や担当者とのやり取りはメールで進むので、営業電話にも悩まずにやり取りすることも可能です。

オススメサイトの併用が鉄則

一括査定サイトごとに提携会社の性質は異なる為、売却を成功するためには、複数の一括査定サイトの併用がオススメです。

サイト選びのポイントとしては、売却物件のエリアに応じて、下記のような使い分けがいいでしょう。

所在地別地域毎のおすすめ

対象物件種別

おすすめポイント

物件所在地に応じたおすすめの使い方

不動産一括査定は、各社の特徴を活かして、複数社への査定依頼がおすすめです。

都心(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良)の場合

一括査定サイトの他にも、売主専門の不動産仲介会社SRE不動産への相談がおすすめ

県庁所在地など比較的人口が多い都市の場合

すまいValueで大手へ、HOME4Uで地元密着から大手へ査定依頼することで漏れなくチェック

田舎など人口が少ない都市の場合

地方の提携企業も多いHOME4Uとイエウールの併用使いがおすすめ

査定対象の物件種別を比較

  • ◎特化してる
  • ○対応している
  • △要相談
  • ×対応していない
サイト名 戸建 マンション 土地 投資物件 農地
○ ○ ○ △ △
○ ○ ○ △ △
○ ○ ○ △ ○
○ ○ ○ ○ ×
○ ○ ○ × ×
× ◎ × × ×
○ ○ ○ △ ○
○ ○ ○ △ △
サイト名 戸建 マンション 土地 投資物件 農地

提携会社数・特徴

サイト名 提携会社数 特徴 公式サイト
大手不動産6社
※小田急不動産、住友不動産販売、野村の仲介、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、三井のリハウス
・大手不動産6社にまとめて査定依頼できる
※この6社に依頼できるのはすまいValueのみ
公式サイト
1,300社以上 ・NTTグループで安心、実績も抜群
・フリーダイヤルの相談窓口あり
・大手、中堅、地域密着の会社にバランスよく依頼できる
公式サイト
1,600社以上 ・地方や田舎に強い 公式サイト
1,800社以上 ・匿名査定対応
・地方含めて対応エリアが広い
公式サイト
2,000店舗以上 ・不動産メディア認知度No.1
・最大10社から一括査定可能
・不動産会社の特徴で選べる
公式サイト
2,500店舗以上 ・マンションに特化
・賃貸も同時査定可能
公式サイト
1,700社以上 ・サポート体制が充実
・様々な物件種別に対応
公式サイト
約700社以上 ・収益物件に特化
・最大10社から一括査定可能
公式サイト

5.解体費用を安く抑えるには複数社の見積もりが必須

解体費用を安くするには、補助金が出る出ないに関わらず複数の解体工事会社に相見積もりを取ることが基本となります。

相見積もりを取ると会社によってかなり金額が異なることがありますが、会社によって金額が異なるのは、重機の保有の有無が大きく影響していることがよくあります。

また、重機の有無だけではなく、外国人労働者を解体職人として活用している会社も見積もりを安く提示することができます。

人件費がコストの大部分を占めるため、比較的安く雇っている外国人従業員がいるかどうかも、見積もりに反映されています。

とはいえ、解体会社を複数知っている人の方が珍しいと思うので、「解体会社への相見積もり」自体がハードルが高いかもしれません。

そんなときに便利なるのが、解体業者見積もりサイト「

ヌリカエ(※旧解体工事のナコウド)

」です。

ヌリカエ(旧解体工事のナコウド)は、東証マザーズに上場している株式会社Speeeが運営する解体業者見積もりサイトです。

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まとめ

以上、解体の補助金・助成金について解説してきました。解体の補助金は、基本的に自治体のものがほとんどです。

募集期間もあり、予算の都合ですぐになくなったりすることもあります。

補助金申請の注意点としては、「常に自治体のホームページをチェックする」、「お金は後から入ることを知っておく」等が挙げられます。

一定の要件を満たす空き家は、取り壊して売却すると3,000万円特別控除の適用を受けることができます。

解体の補助金・助成金の概要が分かったら、早速に自分の自治体のホームページを確認してみてください。

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Source: 不動産売却の教科書